Rides Against

Rides Against(ライズ アゲインスト)─グランド・セフト・オートシリーズにおけるロールプレイングコミュニティ「RP_JP」発の、複数人によって運営される自動車総合情報サイトです。主にGTA5内に登場する架空の自動車を、現実世界の媒体に負けない熱量で、リアルにレビューしていくという活動をここで発信しています。(モデル車両のスペック及び史実との乖離に関してのご意見、ご感想は一切受けかねます。)

Vol.1 今こそ、フルサイズセダン -Albany Washington-


f:id:LsCarLife:20180614122152j:image

アルバニー ワシントン

1990年代に誕生し、今尚根強い人気を誇るアルバニー製高級セダン、ワシントン。しかし、「フルサイズセダン」と呼ばれる、アメリカ独自の車格概念による大排気エンジンを搭載した大型セダンは、社会全体の環境保護意識の向上、省スペース・効率重視の傾向が強くなった現在、その立ち位置は肩身の狭いものとなってきている。
ここでは、そんなフルサイズセダンの魅力を、アルバニー ワシントンを通して改めて見直していく意味も込められているのだ。


f:id:LsCarLife:20180614122653j:image

基本的なスペック

販売期間:1996-2011年

ボディタイプ:4ドアセダン

エンジン:4.6L V8 SOHCエンジン

駆動方式:FR

変速機:4速オートマチック

ホイールベース:2990mm

車両重量:1980kg
f:id:LsCarLife:20180614123124j:image

 ↑[シングルエキゾーストとデュアルエキゾーストのモデルが存在し、デュアルのモデルはシングルより15馬力高い215馬力。撮影したモデルはデュアルエキゾーストのモデルである。]

 

 

 

ワシントンのライバル、スタニアー

 ワシントンを製造するアルバニー社は、アメリカを代表する大手自動車メーカーである。   大衆車から大型の作業車まで、非常に多様な車種をラインナップするが、その中でも中心的な存在なのが高級セダン及びSUVでは無かろうか。

 よくアルバニー社とライバルとして比較される、同じ大手自動車メーカーのヴァピッド社。両者はよく「高級車のアルバニー、実用車のヴァピッド」と比較されることがある。

 ワシントンと同時期に産まれた、似通ったボディサイズ、形状を持つヴァピッド社製フルサイズセダンに、スタニアーがある。
f:id:LsCarLife:20180614175936j:image
↑[長年のライバル、スタニアーとワシントン]

 スタイルこそ似通っているが、両者のコンセプトの違いは明確であり、スタニアーは質実剛健でタフな実用車、ワシントンは高級感を重視したスペシャリティカーという側面が強い。

 事実、スタニアーはアメリカ全土でパトカーやタクシーのベース車両として採用されている一方、ワシントンは政府高官用の公用車や、VIPを送迎するハイヤーとしての採用がほとんどである。


f:id:LsCarLife:20180614180344j:image

↑[ルーフ先端にそびえ立つアルバニーのエンブレムは、100年近い歴史を持つアルバニー社製高級車の伝統である。]
f:id:LsCarLife:20180614181058j:image

↑[同じアルバニー社製の高級セダン、エンペラーと。歴史を経てボディラインこそ変わったが、常にスペシャリティであるというアルバニー社のポリシーは何一つ漏れず受け継がれている。]

 

 

 

実際に乗ってみた

 先ずはエクステリアを見てみよう。他社の(特に近年の欧州や日本製の)高級セダンとの大きな違いは、メッキパーツや大袈裟なサイズのグリル、鋭い目付きのライトなどを持たずして、十分な高級感を持っている点である。

 これは、全体のボディサイズに対するスタイルの低さやボディラインの仕上げが実に高い次元でまとまっており、嫌味の無い、大人の落ち着きを演出しているが故であろう。
f:id:LsCarLife:20180614181909j:image

↑[大柄なボディサイズでありながら低くスマートに構えたスタイルと、直線と曲線の織り交ぜられたデザインが落ち着いた高級感を持つ大きな要因である。]
f:id:LsCarLife:20180614182216j:image

  それではドアを開けて車内へ。ワシントンの真の実力は乗ってみればわかる。

 まず目に入るのは、ドアパネルから車内を取り囲む精巧なウッドパネルである。

 エクステリアのシンプルでスマートな高級感から一転、実際に乗った者の前にのみ現れる存在感抜群のウッドパネルが、心奪われるギャップを産んでいる。見事にいい意味で期待を裏切られ、思わず笑みがこぼれる。
f:id:LsCarLife:20180614182707j:image

↑[ラゲッジスペースもかなり余裕のある広さ。ゴルフバッグ1つにダッフルバッグが2つほど入る。自家用車としての実用性も抜かりない。]

 

 エンジンをかける。4.6L V8のSOHCエンジンは、イメージよりも遥かに静かに始動した。   振動やアイドリング音もほぼ気にならず、ショーファードリブン(オーナー専属の運転手が運転するための車)として非常に優れている。
f:id:LsCarLife:20180614183218j:image

↑[後席の頭上スペースを確保するために独特な形状をしているルーフ後部。甘美な曲線が実にマッチしている。]

 

  実際に走ってみた。4.6Lで215馬力と、数値上では大したことないように感じるかもしれないが、大排気量エンジンによるふくよかなトルク感と、絶妙にセッティングされたトランスミッションは、この巨躯を驚くほどスムーズに走らせる。

  ハイウェイに乗り、アクセルを踏み込む。

  非力な車特有の、寝ぼけ眼で大慌てで走り出したような騒がしいエンジン音は皆無。ゆったりと、しかし確実にパワーを発揮し、グイグイ加速していく。少々柔らかめな足回りと相まって、長時間のドライブでもなかなか疲れることは無さそうだ。

 この走行性能が、企業や機関が所有するショーファードリブンだけでなく、自家用車として所有するオーナーの多さを物語っている。
f:id:LsCarLife:20180614193050j:image

↑[スムーズでゆとりある走りを生むエンジン。人気車種とありパーツも豊富で、故障してもすぐに修理できることもメリットのひとつ。]

 

 

カスタム例
f:id:LsCarLife:20180614202212j:image

 ワシントンでの代表的なカスタムと言えば、ストレッチリムジンが挙げられる(正式にはカスタムではなく、専門の工場で行われるコーチビルドだが)。

 これは、ワシントンが「ハシゴ式フレーム」というシャーシを使用しているためである。

 この方式のフレームは読んで字のごとく、ハシゴ上に複数連なったプラットフォームが連結される形でシャーシとして形作られており、頑丈でありながら、切断/接合が非常に容易に行えるというスグレモノ。

 そのため、オモチャのブロックよろしくフレームを切り離し、ボディを長く作り替えることができるのだ。
f:id:LsCarLife:20180614203353j:image

↑[リムジンの内装。ウッドパネルが広い車内を取り囲むように伸びる、各所がLEDで明るくライトアップされている。中央にはリキュールセラー。アメリカの法律では、車内に開封済みの酒類を持ち込むことは禁止されているが、リムジンのみその対象外であるという。]
f:id:LsCarLife:20180614204000j:image
f:id:LsCarLife:20180614204021j:image
↑[同じくコーチビルドされたものに霊柩車が存在する。業務上必要無いと判断されたのか、車内のウッドパネルは取り外されているようだ。]

 

 そして近年、ローライダーのベース車両としてもポピュラーな存在になりつつある。

 ローライダーカルチャーが生まれた当初、人気のベース車両は当時の型落ちした中古の高級車だったが、時代が進むにつれ人気のベース車両も貴重なヒストリックカーの仲間入りを果たし、良質なモノは手が届かない価格で取引されるようになったためである。

 当時でいうチノやブードゥーなどの立ち位置を、現在ではワシントン等の1980-1990年代製の車両が担うようになっているようだ。
f:id:LsCarLife:20180614204621j:image

 ↑[デイビスのアパート街で目撃したワシントンのローライダー。これからはワシントンと同年代の中古車たちがローライダーカルチャーを担っていくのだろう。]

 

 

総評

 冒頭にも述べたが、自動車業界、消費者のどちらも環境保護思考、省スペース高効率思考に陥る昨今、本当に自家用車に求めるべきモノは、高級感溢れ、ゆとりある走りをするアルバニー製フルサイズセダン、ワシントンに重大なヒントがあると感じた。

 アルバニー社のフラッグシップモデルとはいえ、今現在は生産終了の中古車。状態よく値段もお手頃な個体も多数存在するため、マイカー探し中の皆様は是非チェックを!

 
f:id:LsCarLife:20180614233052j:image